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「悪魔のささやき」
201203.10

akumanosasayaki.JPG
精神科医でもある小説家の加賀乙彦さん。

「悪魔のささやき」は
精神科医、しかも囚人や死刑囚との
面接や鑑定書を書いてきた経験から

なぜ人が殺人や自殺をしてしまうのか、
について考察された本。

 

怨恨とか計画的ではなく、ふっと、
罪を犯した本人でさえ、
なんであのとき人を殺せたんだろう、
って思うような「魔がさした」とでもいうような
犯罪を、加賀さんは
題名にもある「悪魔のささやき」と書いているのですが

恐ろしい、ささやきです。

普通に生きてきたはずなのに、
なぜか罪を犯してしまう。

誰が大丈夫かなんて保証はない、
次の日は、自分がそうなってしまっているかもしれない
そんな、ささやきだというのですから。

もちろん、ささやきから逃れられるだろう、と
加賀さんが考えていらっしゃることも書かれているのですが、

人間とは、本当に
不思議な存在だなぁと思わされた1冊でした。

執筆者:片岡千尋
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