ただの相談役 気まぐれブログ
こんにちは「少人数で頑張っている
倉敷の工務店 ユーリン・ホーム」の
ガマはガマでもワガママのガマです。
朝の散歩で耳が痛くなる季節になってきました。
今朝は北の空が時おりピカリピカリと光っていました。
(遠くの方、ずっとずっと遠くの方で雷光が踊っているのか)と考え
小学4年生の頃に一番最初に覚えた「詩」を思い出していました。
山のあなたの 空遠く
幸ひ住むと 人のいふ
噫(ああ)われひとと 尋(と)めゆきて
涙さしぐみ 帰りきぬ
山のあなたに なほ遠く
幸ひ住むと 人のいふ
上田敏の訳詩は七五調で
耳に優しく
口ずさんで美しい
覚えやすい「詩」です。
カール・ブッセの本国ドイツでは
それほど有名な「詩」ではない
と、聞いたことがあります。
その頃覚えた「詩」で一番心を揺すぶられたのは
与謝野晶子「君死にたまふことなかれ」でした。
同じく七五調ですが
反戦の気持ちを強烈に歌い上げた
晶子の強さに心打たれて
覚え込みました。
あゝおとうとよ 君を泣く
君死にたまふ ことなかれ
末に生まれし 君なれば
親のなさけは まさりしも
親は刃を にぎらせて
人を殺せと おしえしや
人を殺して 死ねよとて
二十四までを そだてしや
堺の街の あきびとの
旧家をほこる あるじにて
親の名を継ぐ 君なれば
君死にたまふ ことなかれ
旅順の城は ほろぶとも
ほろびずとても 何事ぞ
君は知らじな あきびとの
家のおきてに 無かりけり
家をお建て下さった方で
倉敷中央病院の外科のK先生の奥さんや
岡山市京山のKさんに親近感を抱くのは
お二人が堺のご出身だからかもしれません。
君死にたまふ ことなかれ
すめらみことは 戦いに
おほみずからは 出てまさね
かたみに人の 血を流し
獣の道で 死ねよとは
死ぬるを人の ほまれとは
おほみこころの ふかければ
もとよりいかで 思されむ
あゝおとうとよ 戦いに
君死にたまふ ことなかれ
すぎにし秋を 父ぎみに
おくれたまヘる 母ぎみは
なげきの中に いたましく
わが子を召され 家を守り
安しときける 大御代も
母のしら髪は まさりぬる
この次の最後の「詩」が私には一番胸詰まるものでした。
暖簾のかげに ふしてなく
あえかにわかき 新妻を
君わするるや 思へるや
十月も添はで わかれたる
少女ごころを 思ひみよ
この世ひとりの 君ならで
ああまた誰を たのむべき
君死にたまふ ことなかれ
「あえかに わかき 新妻」という文言に
か細く弱々しくて若い奥さんを想像していたのですから
私は結構「マセたガキ」だったようです。