ただの相談役 気まぐれブログ
こんにちは
「施主さんと想い出紡ぐ家造り」
倉敷の工務店ユーリン・ホームの
ガマはガマでもワガママのガマです。
久しぶりに
「詐欺とペテンの大百科」(青土社)
からの抜粋です。
本の題名のトリック
本の題名を変更するのは、出版社の合法的な業務ではあるが、通常は変更後の題名が理にかなっていて、より正確であることが期待されている。アメリカで最も成功した出版人の一人で、古典の安価な再販である「青色文庫(リトル・ブルー・ブックス)」を創設したエマニュエル・ハルデマン=ジュリアス(1889-1951)は、そう堅苦しくは考えなかった。彼は、本の題名を変えるだけで売上を著しく伸ばす能力を持っていたので、自らを「本の医者」と呼んでいた。
テオフィル・ゴーティエの『金色の髪』は合衆国内での売り上げが年間六百部だったのが、『金髪の愛人を求めて』と題名を変えたら五万部になった。
同じように、ヴィクトル・ユーゴーの戯曲『楽しむ王』は、ハルデマン=ジュリアスが『好色王様のお楽しみ』と変えるまで埃を被っていた。
ハウツーものの流行も「本の医者」の興味を引いたようで、トーマス・ド・クィンシーの『会話について』は『会話上達法』というベストセラーになった。
批評家が、ハルデマン=ジュリアスのやり方は誤解を招くし、現実に読者を騙していると苦情を言うと、彼は自分のやり方は偉大な文学を大衆に親しめるものにしたのだと指摘して、批判を退けた。
大衆に売り込むためになら
とっつきやすい題や
コマーシャル・メッセージが
必要だとよくわかる話でした。
「詐欺とペテン」の範疇には
入らない事例で
まさしく「トリック」ですね。