ただの相談役 気まぐれブログ
こんにちは
「家、こだわれば愛」
倉敷の工務店ユーリン・ホームの
ガマはガマでもワガママのガマです。
昨日のブログでKさんの事に触れましたが
そのKさんが建築中の家を見に来られて
ブリック・タイル柄のクロスの
上下が逆さまになっていることを
指摘してくださった方です。
業者も現場監督も気づかず
「何かおかしいぞ 落ち着かんぞ」
と私が言っても
笑って否定するばかりでしたが
Kさんはひと目見て
「タイルの影が上についているから
このクロスは反対に貼っているんじゃないですか?」
と指摘され
流石に絵心を持っておられる方は違うと
今でも失敗から学んだエピソードとして
思い返すことがあります。
一昨日、Kさんが自転車で
N様邸の見学会に来て下さいました。
「この自転車 どこに置いたらいいですか?」
「そこに置いてください」
私は日陰になっていたテントの隅を案内しました。
Kさんが室内を見ておられる間に
日差しが伸びてきて自転車に当たり始めました。
私はなんとも思わずに
自転車を日陰に移動させ
ついでに回転させて
前輪を出口の方に向けておきました。
「アラ 自転車を移してくださったんですね。
ありがとうございます」
出てこられたKさんもなんとも思われずに
お礼を言われました。
こうした さりげない行為や会話が
お客さんとできることが
接客業に携わる者の喜びです。
Kさんのお宅を建てさせて頂いていた時
現場に行きますと
棟梁が「カエデの床」を半ばまで貼っていたこと事があります。
何気なく見ていますと
10円玉を2枚重ねても入るほどの隙間がありました。
「ココ ちょっと張り替えてくれる。
他にはこんな隙間はないだろうね」
こう聞きますと
「あるよ 材料が悪いよ」
棟梁が養生シートをはぐると
隙間が何箇所もありました。
私は即座に床材納入業者と監督を呼び
張替えを命じました。
Kさんご夫婦は温和な方たちでしたから
それらの隙間があっても
許してくださったかもしれません。
しかし気の付かないような方たちではありませんし
お二人の美意識にそぐわないと考えたのです。
「これでいいですよ」と
おっしゃったとしても
納得されての肯定と
我慢されての肯定とでは
意味するものが全く違います。
床を剥がさせたのがお盆前で
『床が完成している』と
楽しみにして広島から帰られたら
『床がなくなっていた』と
笑い話になりましたが
これもKさんにまつわるエピソードです。
お客さんは私たちが思う以上に
接客する者の人間性を
見ておられます。
おべっかを使ったり
笑顔を振りまいたりしても
信用は得られません。
「巧言令色少なし仁」
さりげない徳が
信用の素なのです。