ただの相談役 気まぐれブログ
こんにちは
「発泡ウレタン注入断熱だけにはこだわる
自由設計の家造り」
倉敷の工務店ユーリン・ホームの
ガマはガマでもワガママのガマです。
朝の散歩で星影のない曇天を見上げていたら
「智恵子抄の『あどけない話』が浮かんできました。
智恵子は東京に空が無いという
ほんとの空が見たいという
私は驚いて空を見る
桜若葉の間に在るのは
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ
智恵子は遠くを見ながら言う
阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとの空だという
あどけない空の話である
続いて『レモン哀歌』が浮かんできました。
そんなにもあなたはレモンを待つていた
かなしく白い明るい死の床で
私の手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
私の手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういう命の瀬戸ぎわに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓でしたような深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光つたレモンを今日も置こう
「トパアズいろの香気が立つ」のところが好きでした。
今日から八王寺町のS様邸の地組に入ると聞いています。
時はどんどん過ぎ去っていきます。
時に戻れとは言いません。
(せめて留まってくれたら)と一瞬思った朝でした。