ただの相談役 気まぐれブログ
ユーリン・ホームの建てる家は
断熱材を発泡ウレタン注入にして
長期優良住宅を当り前の標準にしています。
『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』を
読み終わりました。
以前テレビで著者の渡邉格氏がおっしゃていたことがあります。
「その土地の水と空気と材料があって
初めてその土地のパンができるのです」
そういった意味の言葉でした。
『何をオーバーな』と感じたものですが
その土地に棲息する麹菌を
利用してパン作りをしようとすると
水も空気も材料も地産がベストだと
よく分かりました。
渡邉氏は既成ののイーストを使わずに
パンを発酵させ膨らませるのに
古民家にひっそりと棲息する麹菌を
取り出そうとされます。
そのくだりが面白く楽しい。
「菌」対「職人」の大勝負
黒、赤、黄色、緑――
さて、どれからいくか・・・・・。
僕は、蒸し米についた色とりどりのカビのようなものたちを前に、腕組みをしていた。
直感では、きっとこのなかに、麹菌がいるはずなんだけどな・・・・・・。
と、そこに、マリが工房の様子を覗きにきた。
「どう、天然麹菌採れた?」
「オレの勘では、このなかにいると思うんだけどね」
「うぇ~、すごい。これやっぱり、どう見たってカビだよね・・・・・・」
「ひとつずつ食べてみようとおもってさ」
「うぅ~、気持ち悪い。イタル、後は任せた。私はパス。無事を祈る」
渡邉氏は感覚を研ぎ澄ませて
ほんのわずかな身体の変化も
見逃さないようにして
菌を食べて行きます。
黒い菌 ゾクゾクゾクッ――背中に悪寒が走る。
黄色い菌 ジトッと全身の毛穴から冷たい汗が噴き出てくる。
赤い菌 ビリビリッ――舌先が痺れ、全身を電気が駆けめぐる。
緑の菌 口に含むと・・・・・・柔らかな甘みがあって、体が菌を
受け入れている感じがする。
このように
渡邉氏は命を張って
蒸し米のカビの中から
土着の麹菌を見つけ出し
米麹によるオリジナルの
「和食パン」を作りだされました。
以前 ユーリン・ホームが
いつもお世話になっている
瓦屋の越智さんから
教えてもらったことがあります。
「良い日本酒かどうかは
ラベルの『原材料』の所に
醸造アルコールと
書いてあるかどうかで
分かるものです」
醸造アルコールとはエタノールの事で
サトウキビの糖蜜に酵母を加えて発酵させ
アルコールを蒸留させたものだそうです。
醸造アルコールという記述が
ラベルに無ければ
米麹から作られた日本酒だそうです。
食べ物・飲み物
そして家も
人様の健康をお預かりするものです。
作る方の早さ・便利さ・均一性ばかりを
追及していく品物ではありません。
その事がよく分かった『田舎のパン屋』でした。