ただの相談役 気まぐれブログ
ユーリン・ホームの建てる家は
断熱材を発泡ウレタン注入にして
長期優良住宅を当り前の標準にしています。
『外来種は本当に悪者か?
新しい野生 THE NEW WILD
フレッド・ピアス 著・藤井留美=訳
岸由二=解説・草思社』
この本によると
元々のアフリカはウシを経済基盤にした
貴族制の王国がいくつも繁栄していた大地だった。
そして
その大地は数多くのウシを飼育できるだけの
大牧草地でもあった。
その大地の様相を変えたのは人間が持ち込んだ牛疫ウイルスだった。
1887年イタリアの小部隊が食用として連れてきたウシに便乗して
『アフリカの角』と呼ばれていた北東部に進入した牛疫ウイルスは
5年もたたないうちにアフリカ全土に広がってウシが死に人も死に
ヒズメの割れたウシ目の野生動物も死んでいった。
1888年から1892年にかけて
エチオピアは人口の3分の1にあたる数百万人が死んだ。
ウシと人間の死骸が
「地面をぎっしり埋めつくしたのでハゲワシは飛ぶことを忘れた」
アフリカの部族社会は疲弊し植民地化に抵抗する力は残っていなかった。
牛疫禍の影響は植民地化のほかにツェツェバエの蔓延も招いた。
当初はツェツェバエもウシが激減して血を吸えなくなったが
草を食む動物がいなくなり牧草地が林や茂みに姿を変え
ツェツェバエの幼虫の育つのに最適な環境が増えることによって
急速に広がっていった。
今では
東アフリカの高地から南のザンベジ川・リンポポ川渓谷までの
広大な牧草地がツェツェバエの生息する藪へと変容した。
人間が持ち込んだ外来のウイルスが
アフリカ大陸でこれだけのことをやらかした。
牛疫ウイルスとツェツェバエをきっかけに生態学的革命が起き
人間とウシが負けてウシの姿が消えて牧草地がなくなり
野生動物が甦って土地に灌木が生い茂った。
これが今の
セレンゲッティ国立公園などの姿なのだそうです。
私たちは
セレンゲッティ国立公園などの映像を見て
『偉大な原始のままのアフリカのイメージだ』
と思いがちですが
それは原風景などではなくて
『人間がもたらしたウイルスの産物』
だったのです。
この本によって地球上に
『人間の手付かずの原始の自然』などは無く
動植物の在来種と外来種という区別に
あまり意味のないことを知りました。
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昨日
奥さんが見つけた
アケビを割ってみました。
アケビの実というより
種という方が正しいようです。
アケビは日本の在来種?です。