ただの相談役 気まぐれブログ
オンリー・ワンの家造り 倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。
この間読み終わった『日本語教室』で
未だに頭の片隅に残っていて
何となく腑に落ちた箇所がありました。
明治になり
外国にある概念で日本にないものを
漢字二文字を使って翻訳しようと
福沢諭吉さんなどが苦労していました。
「訳字を以て原意を尽すに足らず」
(日本語に訳せんなぁ)と諭吉さんが
投げ出した言葉がありました。
Rightです。
私などが中学生の頃 赤単で
「正しく右の権利は正しい」と
まる暗記したRightです。
諭吉さんが困っていると
おっちょこちょい(井上ひさしさん曰く)の
西周(にしあまね)さんがやって来て
「権利」という字を当てたらいいですよ」ということで
「Right=権利」になったということです。
しかし
荀子(中国の道徳書)などで権利というと
「力で得る利益」や「権力と利益」という意味ですので
諭吉さんにとってのRightの訳語としては
しっくりと来なかったのでしょう。
日本人は権利ばかりを主張する人を嫌います。
明治から150年経過しても日本の一般の人は
権利の行使をそれほど好ましく思っていないのですが
最近では「権利は当然力ずくで得る利益」だと
考えている人もいるかもしれません。
権利をそんなふうにとらえている人が
多くなってきているような感じです。
権利が中国人の実態に近付いてきた。
嘆かわしい限りです。
そうそう・・・
啓蒙思想家の西周さんをおっちょこちょいと
井上ひさしさんは書いていますが
西周さんほど外国語を日本語にするため
多くの漢語を考案をした方はおられません。
福沢諭吉さんは4,632ですが
西周さんは35,424でダントツの一番です。
世間の周ちゃん・・・自信を持って下さいね。