ただの相談役 気まぐれブログ
一棟一棟 手仕上げ住宅
倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。
私の趣味部屋の机の上の
本棚の中で一番古い本は
『古詩選』という本だ。
中学3年の時に漢詩に
興味を持って買った物だ。
それはずっと後年の事で
20年も経過した頃の事だった。
私と一緒に働いていた
事務員の『葉子』から
結婚式に招待された。
披露宴での祝辞を
頼まれた私は
祝いの文章も『葉子』に
送りたいと考えた。
結婚式場の支配人をしていた時
目録などを書いて下さっていた
佐渡島という恰幅の良い紳士と
知り合いになっていた。
「先生‥‥
私の知り合いで
『葉子」という子ガ
今度結婚をするんですよ‥‥
『桃が実って
葉が茂るようなその子が
嫁に行ったら
家の者は幸せだろう』っていう
漢詩がありましたよね‥‥
その文言を色紙に書いて
頂けんでしょうか」
「『桃夭』ですね‥‥
書いておきますよ‥‥」
佐渡島さんは温和に笑って
返事をされた。
私は私の曖昧な伝え方で
即座に詩の題まで
答えられたことに
いたく驚き感動した。
桃之夭夭 桃の夭夭たる
其葉蓁蓁 其の葉は蓁蓁たり
之子于歸 之の子の于き帰げば
宜其家人 其の家人に宣しからん
色紙の裏には和訳も書いて
下さっていた。
桃の木々の若々しさよ
盛んに茂る桃の木の葉よ
この子が嫁いでいくと
その嫁ぎ先にふさわしいだろう
昨日『古詩選』を開いたら
偶然『桃夭』が出てきた。
『古詩選』の中にはもう一つ
好きな漢詩がある。
『行行重行行』
『行き行きて重ねて行き行く』
長い古詩なので題しか書かない。