ただの相談役 気まぐれブログ

ありのすさび
202409.16

一棟一棟 手仕上げ住宅
倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。

昨日の夕食時
奥さんが赤ワインのボトルを
出してきた。

私はワインを飲まない。

「誰にもろうたんや‥‥?」

「お父さんがこの間
買ってくれたんを
ビンに詰め替えやんよ‥‥
甘いよ‥‥
お父さんの好きな
赤玉ワインポートみたいよ」

『しののめの 
   ほがらほがらと 
       あけゆけば
 おのがきぬぎぬ
      なるぞかなしき』

そんな想いから一緒になった。

知り合った経緯は
『ガマのたわごと』の
『惚気(のろけ)』に書いた。

それから45年になる。

私は寡黙になり
奥さんは多弁になった。

奥さんは
時に可笑し気なことを言って
私を笑わせてくれる。

「気安く
触らんでくれる‥‥!!!」

私は
時に近付くと
ヒョイと二の腕や首筋を撫でて
奥さんに叱られもする。

『ある時は
    ありのすさびに
          語らはで
 恋しきものと
     分かれてぞ知る』

『ありのすさび』とは
一緒に居ることに慣れて
相手の存在を意識せず
なおざりになることを
言うそうな。

この『別れ』は『今生の別れ』だと
私は考えている。

もちろん私が先に逝く。

『恋しきもの』と奥さんが
思ってくれるかどうかは
分明定かではない。


『古今和歌六帖』の歌だ。 

執筆者:中井勝人
アーカイブarchive

お問い合わせ

土地探し相談も受付中!

電話でお問い合わせ

086-429-1255

受付時間 9:00~18:00

WEBでお問い合わせ

シダのある暮らし
来場予約 資料請求・お問い合わせ
来場予約
資料請求・お問い合わせ