ただの相談役 気まぐれブログ

依怙地
201203.22

こんにちは「倉敷の工務店ユーリン・ホーム」の

ガマはガマでもワガママのガマです。

 

歳を重ねますと夫婦というものは

お互いに不思議と依怙地になって来るものなのでしょうかね。

 

 

昨日の夕飯の時、父が煙草をくわえず食堂に現れて、着座しました。

 

母は父の後ろから付いてきましたが、

いつものように先立って父の椅子を引いたり

座るのを手伝ったりしません。

 

 

2人の醸し出す雰囲気が微妙でした。

 

 

食事が始まり、いつものように私が父の灰皿にタバコを1本置きながら

「どうしたんオヤジさん、今日はタバコがないんですか、2本いります?」

 

 

父が返事をする前に、母が言いました。

 

「いらん、いらん、1本でええよ、チャンと買ってあるねん、出したらへんだけやねん」

 

「なんで出してあげへんのん」

 

「タバコが欲しいて言わはらへんしや」

 

「言わんでも、欲しがッたはるんは、嫁さんやったらわかるやろ」

 

「分かってるえ、コソコソ、コソコソ、アッチコッチ探し回って

 タバコ盆の下まで見て、何でそんなとこにあるねんな、アホちゃう」

 

母は、父を憎憎しげに睨みながら答えます。

 

 

「オヤジさん、何でタバコって言わはらへんのです?」

 

「それはなぁ、奥さんが怖いねん、

 小さい時から怖いお母さんに育てられたから、女の人が怖いねん、

 怖おおて『タバコくれ』なんて、よお言わんねん」

 

 

「アホらし、女の人が怖い者がオシメ脱いで、

 スッポンポンで換えてもらうんを待つかいな」

 

 

「オシメは言わんでも換えてくれるけど

 タバコは言わんとくれへんねん、

 気が弱いから、それをよう言わんねん」

 

 

 

「オヤジさんも言わはったらええと思うし

 オフクロさんも言わんかって、あげはったらええと思うけどなぁ」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

父は返事をしようともしません。

 

 

 

「ゼッタイあげへんし」

 

 

母は言い切ります。

 

 

 

 

その癖、居間に戻ったら、すぐに隠したタバコを取り出しているはずです。

 

 

月に何度か繰り返される『90歳と85歳の老夫婦の織成す』

不毛な意地の張り合いに、私はドッと疲れます。

 

執筆者:中井勝人
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