ただの相談役 気まぐれブログ
35年のローンを組んでも、建てて良かったユーリンの家。
ユーリン・ホームのガマはガマでもワガママのガマです。
本を2冊頂きました。
1冊は
『中庄の歴史 2015.9 NO.10 中庄の歴史を語り継ぐ会
中庄の自然を愛し、健全な企業風土の育成と、薫り高い文化の創造を目指す』
この本の中で
『ふるさと紀行(最終回) ウォーク&トーク』
『六間川に架かる橋』を寄稿されている戸板啓四郎氏。
戸板氏はこの本の発行/編集もされているのですが
その戸板氏から頂戴しました。
1冊は
『戦争という おとぎ話(原作者 竹井啓勒 ・著者 野村史子)』
野村さんがお父さんの啓勒(けいろく)氏から
戦後に聞いた「おとぎ話」ふうの「戦争中の話」を
お父さんのノートを基に綴られた物語です。
野村さんは私と同い年で
5日だけ妹ですので戦後生まれ
戦争の悲惨さを知らない世代です。
その戦争を知らない娘の野村さんに
お父さんの啓勒氏は戦争中の失敗談を
面白おかしく「おとぎ話」風に話すことによって
戦争の悲惨さを覆い隠そうとされたのでしょう。
幼い頃は興味を持たせれば良い。
深層は成長して物事の理非善悪の弁別を
理解するようになってから
自分自身ですれば良い。
お父さんはそのように考えられていたと
私は思います。
お嬢さんが才女に育たれたのも
「むべなるかな」です。
啓勒氏は戦後の昭和31年に
早島の千光寺の第18世住職に
なられた方ですが
戦前戦中は東京物理学校を卒業なさって
技術将校となる前は理化学研究所で
仁科芳雄博士の下で
原子爆弾の研究開発にも
携わっておられた方です。
この本の中に恐ろしい記述がありました。
『サイクロトロンは原爆の芽?
日本では「夢物語」でしかなかった「原爆」である。しかし、軍の偉い人たちは
「まもなく一発で大都市を吹き飛ばすくらいの威力のある新兵器ができる。
君たちはそれができるまでの間、国を守るために生命を投げだしてくれ」
と言って特攻隊の若い人たちに出撃を命じていたのだ。
そういえば戦後、理研のサイクロトロンが占領軍によってめちゃくちゃにされ、
東京湾に沈められたという噂があった。
「あんなポンコツの装置を壊すなんて、どうかしている」
と思っていた。
けれども今にして思えば、サイクロトロンは、米軍によって「原爆の芽」とみなされてから、
つみ取られたということだった。
私が粛々と石けん水を塗っていたサイクロトロンは、戦争という狂気の世界で
思わぬ罪をかぶることになって、海の藻屑と化してしまった。』
日本が原子爆弾をアメリカよりも早く開発していたなら
躊躇なくどこかで使用していただろうと想像できる内容です。
それが怖い。