ただの相談役 気まぐれブログ
アナタの隣りの工務店 倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。
「『評伝 小室直樹』 上・下
(村上篤直 著・ミネルヴァ書房)』
を読了しました。
気付き直したこともあり
勉強になったこともあり
一気呵成
寝る時間も忘れて
読み続けられる本でした。
下巻の第二八章 晩年
奇跡を起こす教育とは
この章で小室氏は三つの要素の
必要性を述べています。
①立志コンプレクス
前向きなコンプレクスの意味。
歴史上、一回も戦争に敗けたことのない三人上げます。
アレクサンダー・霍去病(かくきょへい)・源義経。
義経は子どもの時に鞍馬で家系図を見て
「僕は源氏の嫡流の生まれか
必ず平家を滅ぼさないといけない それが使命だ」と思った。
その立志コンプレクスの強さが戦争の強さの秘訣。
②行動的禁欲
行動的禁欲はマックス・ヴェーバーの言葉。
ひとつのことだけに全身全霊を打ち込んで取り組むという意味。
“何かをする〟ことだけに全身全霊を打ち込み
その結果 ほかのことは一切しないということで禁欲。
③最良の甘え
精神分析での「甘え」は”完全に同一化する〟=(identification)という意味。
吉田松陰は小父の玉木文之進に可愛がられ教育されます。
玉木の教育は体に止まった蚊を松陰が払っただけで
「それは私(わたくし)である」と
公より私を優先した松陰を打擲します。
母親が「死んでしまう」と思えるくらいの仕込み方でした。
「自分をこれだけ厳しく鍛えてくれるのは
最高に可愛がっていてくれるからだ」
と松陰は気付き最高の甘えが生まれてきた。
奇跡を起こす教育の必要性についてお話します。
現在の教育が問題なのは、奇跡を起こす教育ではないということです。
教育者には、「俺は偉くて、若者は未熟だ」と思っている人がいます。
とんでもないことです。若者こそ奇跡そのものなのです。
小室直樹氏は根っからの教育者でした。