ただの相談役 気まぐれブログ
大切で大事な家の診療所
倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。
昨日の朝食後
新聞を読み終わり
LDKでぼんやりと
TVを見ていると
駐車場に宅配の車が
入ってくるのが見えた。
タントがピンと耳を立て
四肢を震わせて
訪問者への攻撃態勢に入った。
私は右手でタントの首輪を掴み
左手をタントの胴に絡ませ
救いあげるように抱え上げた。
インターホンが響いた。
私は足でLDKの引き違い戸を開け
玄関先に進みながら大声で叫んだ。
「凶暴な犬を抱えてるんで
玄関が開けられんのですわ
開けてもらえんですかねぇ~」
「いいですよ~」
答えながら
青い作業服を着た中年男性が
段ボール箱を両手で持ち
玄関ホールに入って来た。
「ここに置いておきますよ‥‥
サインは私がしてもいいですか」
男性は歯を剝く犬に
近付かないように
玄関框の端に荷物を置くと
そそくさと踵を返して
外へと出て行った。
段ボール箱の上に
赤文字で『挨拶状 在中」の
封筒が貼ってあった。
封筒の左下に
『いいちこブレンド堪能
+αキャンペーン
2021.11.15㊊
2022.1.31㊊まで』
と小さく印刷されていた。
『なんだろうか?』
不思議に思いながら
タントを下ろすと
封書を開封た。
同じロゴで始まる手紙が出てきて
ロゴの下に
『ご当選おめでとうございます』
と印字されていた
段ボ―ル箱を開けると
「いいちこ下町のハイボール
350ml. 24本セット」が
入っていた。
当時は3日で1本
1.8㍑のいいちこのパックを
空けていた。
いいちこのパックの上部には
応募シールがくっ付けてあった。
シールはラップを剥がす度に
キッチンパネルに貼っておいた。
チヒロがせっせとキャンペーンに
応募してくれていたのを
思い出した。
『吉祥だ』
内心思っていると
奥さんが言った。
「このハイボール‥‥
あんまり売れなかったから
賞品に回されたんじゃろか」
『なるほど』