ただの相談役　気まぐれブログ

一棟一棟 手仕上げ住宅
倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。

「お父さん‥‥植物が好きだって方が
お父さんのシダを見たいそうなんですけれど
お連れしてもイイですか?」

チヒロからの不在着信に気付き
携帯をかけると尋ねられた。

「寝間着でもええか‥‥
着替えるんか‥‥」

「着替えてくださいよ‥‥」

ということで着替えていると
チヒロが上品な女性を二人
案内してきた。

「すいません‥‥着替えていたもので‥‥」
と言い訳をしながら
「私はシダが好きなもんで
増やし過ぎまして
私が死んだら誰も世話をしないだろうし
枯らすだろうし‥‥
今のうちに売っておこうと
考えまして‥‥
ここのコーナーは5,000円で
売る予定なんです」
と前置きをしてから
1時間ばかりシダの独演会を始めた。

「こっちがいいかしら‥‥」

「ワタシはこの‥‥
吊るしてるのが好きだわ‥‥」

途中でご婦人たちはコーナーの
ビカクシダのハンギングを
吟味され始めた。

買うお気持ちらしいと
察知したチヒロが驚いて
私の話しに割って入って来た。

「無理にお買いいただかなくても
好いんですよ」

「あゝ好いですよ‥‥買って頂こうと
説明をしているんじゃないですから‥‥」

売るつもりもなくて
シダの説明をしていた私も
思わぬ展開に
いささかどぎまぎして
チヒロの言葉を継いだ。

そして　お二人のご婦人が
私の園芸店『シダの路地裏』の
最初のお客さんになって下さった
という訳だった。

おあとがよろしいようで‥‥。

『おかやま妊娠SOSしぇると』という
妊娠で困っている女性の相談窓口を
お二人は運営されているそうな。

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