ただの相談役 気まぐれブログ
一棟一棟 手仕上げ住宅
倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。
「今日は昼から
美観地区に行かんか?」
「なんで?‥‥行っても良いよ」
「リエの誕生日プレゼントに
このバッグを買ってやろうと思てな」
携帯電話の写真を奥さんに見せた。
「お父さんの持ってる絵じゃが‥‥」
「そうじゃ‥‥川埜龍三さんから
譲ってもろた絵のバッグじゃ‥‥
ラガルトに置いてあるかなと
思てなぁ~」
私は川埜龍三氏の作品が好きで
趣味部屋の壁の一部に
作品群を飾っている。
その中の
『すれちがうマチスの鳥』の絵が
koukishin₋bagの意匠になっていた。
「お父さん‥‥
絵がバッグに使われているのを
知ってたの?
分かっても平気なの?」
「インスタで見るまで
知らんかったけど‥‥
オレは持っているというだけで
創作したのは龍三さんなんやから
作った龍三さんがバックの柄に
『ええよ』と許したんなら
持ってるだけのオレは
どうこう言えんし
それでええんと違うかなぁ~」
「そんなもんかなぁ~」
「そんなもんや‥‥それに
オレが持っている絵を
バッグに仕立てて
宣伝してもろてると考えると
有難いこっちゃないか‥‥
『値打も上がる』ちゅうもんやし。
このバッグがラガルとにあったら
リエに買ってやろう思てるんや」
「あったような気もするよ‥‥
でもリエさんの趣味に合うかなぁ~
あの子は無地の白いバッグしか
使わんような気がするよ‥‥
それに‥‥そのバッグ
ケッコウ高かったと思うよ」
奥さんの言葉に二の足を踏んで
昨日の午後からの外出は
取りやめにした。