ただの相談役 気まぐれブログ
一棟一棟 手仕上げ住宅
倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。
「お父さん‥‥お父さん‥‥
お客さん‥‥お客さん‥‥」
昨日 朝刊を読み
朝食を済まして
朝風呂に入った。
湯船につかった。
同時に
奥さんの叫び声がLDKからした。
「車が駐車場に入ってきたよ」
私は脱衣場に飛び出して
バスタオルを腰に巻き
もう一枚で
むき出しの肩や胸を
水気をぬぐった。
いざとなったら
玄関戸から顔を出し
挨拶だけを先に
済ますつもりだった。
ところが奥さんが
外で長々と話し込んでいる。
『接客してくれているのだ』と
少し安心しながら
服を着るのを急いだ。
室内では2匹の犬が吠え続け
うるさくてかなわん中で
まだぬぐいききらぬ体に
やっと下着をつけた。
犬どもの吠え声が止み
奥さんが家の中に戻ってきた。
脱衣場から顔を出して
奥さんに尋ねた。
「お客さん‥‥帰らはったんか?」
「ウウン‥‥ヨリト君やったわ」
「なんじゃ‥‥
ヨリトがこんな時間に?」
「出勤前に誕生プレゼントを
届けてくれたんじゃって」
『それやったら先に
来たのはヨリトだと
オレに知らせろよ』
内心 憤った。
身体にべったりとまとわりつく
下着が不快感をあおってきた。
下着を憮然として剝ぐように脱ぎ
洗濯機に放り込んだ。
ヨリトのプレゼントは
パラソルだった。
チヒロはショルダーバックで
チハヤは珍しいビール。
奥さんは幸せ者だ。