ただの相談役　気まぐれブログ

一棟一棟　手仕上げ住宅
倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。

私は年の所為なのか
いささか耳が遠い。

テレビの音響のボリュームを
余り上げると
奥さんにお叱りを受ける。

その為にドラマなどを見る時は
画面の字幕をONにしている。

21(火)のＮHKの大河ドラマ
『光る君へ・一皇二后』も
音量を低くして
字幕を見ながら登場人物の
セリフを目で追っていた。

まひろが乳飲み子を胸に抱き
耳元で漢詩を詠みながら
あやしている場面があった。

まひろの言葉が画面に流れた。

「虚室　重ねて　招き尋ね
忘言　断金　契る
英は　漢家の酒に　浮かべ
雪は‥‥」

ここで夫の宣孝が帰宅する。

私の目には『英』という字が
強く印象付けられた。

『英』という
知り合いがいる。

まひろが『英』の字を
何と読んだのかが耳に届かず
聞き取れなかった。

セリフの漢詩の内容を調べた。

『虚室』とは
わだかまりの無い心・『虚心』

『忘言』とは
言葉で表しきれないこと

『断金の契り』とは
固く結ばれた友情

『漢家』は『漢方医』

『蒙求』という伝統的な中国の
初学者向け教科書の中の
漢詩だった。

ところが
『英は漢家の酒に浮かべ』の
意味が全く分からなかった。

ただただ　素直に字面通りに
読み取れば良いのか。

『英』を『漢語林』で調べた。

　①はな　
　　野に咲いても実の無い花
　②はなぶさ　はなしべ
　③うつくしい　すぐれている
　　秀でる　すぐれた人物
　④ほまれ　名誉
　⑤め　芽ばえ
　⑥国名　英吉利

智過万人者　謂之英
(ちはばんにんにすぐるもの
これをえいといふ)

『英は漢家の酒に浮かべ』とは
『はなは漢方医の酒に浮かべ』
としか読めないようだった。

昨夕　5時過ぎに
パジャマに着替えて
焼酎を飲んでいた。

駐車場に
車が入ってくる音がし
2匹のフレ・ブルが吠え始め
奥さんが玄関先に出て行った。

「お父さん英さんよ‥‥」

奥さんに呼ばれた。

ご夫婦で
桃を持って来て下さった。

寝る前に
『英』という苗字を調べた。

なんとも美しく
羨ましい苗字だ。

『才能も知恵も努力も身持ちも
忠誠も、すべてをひっくるめた
ところで、ただ可愛気がある
という奴には叶わない』

矢沢永一氏の言葉である。

私は英さんとお逢いすると
いつも矢沢氏の言葉を
『かなわんなぁ』という
想いとともに思い出す。

英さん　奥さん‥‥
桃を有難うございました。