ただの相談役 気まぐれブログ

面面の楊貴妃
202411.14

一棟一棟 手仕上げ住宅
倉敷茶屋町ユーリン・ホーム。

昨日は 早島のN 村邸に
見積もりを持参した。

N 村女史と逢うのは
久しぶりだった。

女史との会話は
小太鼓を打つように
ポンポンと小気味よく弾み
途切れずに続く。

二人とも同い年の五黄の寅年で
女史の血液型は
おそらくはB だろう。

頭脳の明晰さは
女史の方がずっと上だ。

才女だ。

昨日はチヒロに代わって
チハヤが同行した。

「こんにちは‥‥
久しぶり‥‥ナカイです」

私が声をかけると
玄関ドアを開けて
女史が出てきた。

「あらっ‥‥どうしたの
ちょっと変わったわねぇ~」

女史の目の前にいたのは
チハヤだった。

いつものように
チヒロが来たのだと
思い込んでいたのだろう。

女史は目の前の女性の
容姿の変化に驚いて
感嘆するように言った。

「ワタシは妹の方です」

「なんだ‥‥そうなんだ
開けたらお嬢さんがいて‥‥
チヒロちゃんだとばっかり
思いこんでいて‥‥
姉妹だから似てるもんねぇ~」

「そうかなぁ~似とるかなぁ‥‥」

「だってナカイさんの声がして
そこに彼女がいるんじゃもん」

ここから
女史が見間違えたことへの
自己弁護が始まった。

いつものことだが
女史の理論だった理屈は
興味深くて
笑いながら聞き惚れた。

帰り際に昔
女史からうちの奥さんのことで
私が指摘されたことを
思い出していた。

昨日
うちの奥さんは一日中
LDKで編み物をしていた。

女房に惚れて家内安全

面面の楊貴妃

お前百まで わしゃ九十九まで
    共に白髪の生えるまで

年を経て 奥さんが
一緒に居てくれるだけで
嬉しいと思えるように
なってきた。

「ナカイさん‥‥
奥さんがガンじゃと知った時に
思いつめて
うろたえとったもんねぇ~」 

女史のご主人にガンになり
悪寒で震えるご主人のために
二人で椅子式の電気炬燵を
買いに行ったことがあった。

その時に 帰りの車中で
翻って うちの奥さんが
ガンと知った時の私の
振る舞いを振り返った女史から
同情されながら
冷やかされたものだ。

末期ガンのご主人を介抱しながら
女史は気丈だった。

奥さんがガン手術を受けてから
ほぼ10年が過ぎた。

おかげさまで息災に
過ごさせてもらっている。

ありがたいことだ。

執筆者:中井勝人
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