ただの相談役　気まぐれブログ

手間暇かける家造り
家の町医者ユーリン・ホーム。

昨日　
夕食をチヒロと2人が孫を食べに来た。

食後
3人を見送りに家から出ると空には朧月。

『春だな』

感慨が一入(ひとしお）であった。

菜の花畠に　入日薄れ
見渡す山の葉　霞ふかし
春風そよふく　空を見れば
夕月かかりて　にほい淡し

里わの火影も　森の色も
田中の小路を　たどる人も
蛙のなく音も　鐘の音も
さながら霞める　朧月夜

「走るなよ～気をつけろよ～」

車の交通量の多い県道の
白線とガードレールの間を
歩いて帰る3人に
奥さんと駐車場から
声を大きくして見送った。

「今夜はもう一度
肉豆腐に挑戦じゃ」

昨日の昼前に安い牛肉と
山崎の綿豆腐を2丁買って来て
奥さんに宣言した。

『もしかしたら
今日の晩ご飯にヒロが
やってくるかもしれんなぁ～』

奥さんも私も フと思った

先日
奥さんがハンバーグを作り
私のために翌日分も作っておいたら
チヒロが来て食べてしまった。

一昨日は
奥さんがロールキャベツを作ったが
翌日の夕食のために余分を残していた。

「今夜は何をするん？」

「お父さんが作る肉豆腐じゃ‥‥」

「ほかにないん‥‥おっ‥‥
ロールキャベツがあるじゃん
ヒロトとカズトと3人で
夜に来てもええ？」

冷蔵庫をあさりながら
チヒロが尋ねてきた。

オカズを余分に作ると
臭いに誘われるように
チヒロがやってくる。

迷惑そうな顔をしながらも
奥さんは孫のためにいそいそと
鳥の唐揚まで作っていた。

悪ガキ2人はオカズを食い散らかせ
満腹になると
ユーチューブを見るために
私の2階の趣味部屋に
急いで上がっていった。

奥さんとチヒロと3人で
酒を酌み交わした。

チヒロと孫を見送りに出ると
外は朧月夜だった。

照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の
　　　　　朧月夜に しくものぞなき
　　　　　　　　　　　　(大江千里)

しみじみと
しみじみとある幸せか‥‥。